個人再生手続きとは・・・

支払が困難となった個人が負担している債務を整理するための手続として、破産、任意整理、特定調停といった手続以外に、「個人再生」という特別の再生手続(民事再生手続の特則という位置付け)が用意されています。

支払が困難となったといっても、中には、例えば会社員など給与による定期収入があったり、個人事業者であっても売上高、利益高は小さくとも安定した事業収入が一定程度がある方もいます。そのような個人の方々は、約定どおりの月額返済ができなくとも、それさえ下げてもらえれば返済が可能というケースもありえるところです。

にもかかわらず、債務整理する、つまり負債をゼロにするには、破産か、(原則として)負債総額(特に元本)そのものを減額させずに、支払期間を延長して弁済するという任意整理や特定調停が一般的な方法となっていました。

とはいえ、破産では保有継続できる資産は、金額的にも種類的にも制約されたものとなります。

一方、任意整理や特定調停では保有継続できる資産に制約はないものの、負債総額(元本)そのものの減額をしないため、毎月の返済可能額によりますが、相当程度に高額にのぼる場合(例えば数百万円を超える場合)は、長期間での分割弁済としたとしても負債総額に達しないことがあり、この手法が選択できないこともあります。

そこで、債務整理の選択肢の一つとして「個人再生」を検討することを紹介させていただきます。

この「個人再生」の手続を利用するにあたって、負債総額が5000万円以下であることが要件の一つとなっているため、これを超える負債総額の場合は利用できませんが、これをクリアしているのであれば、この制度の利用を積極的に検討してみてはいかがでしょうか(なお、ここでいう「負債総額」についての詳細説明は本稿では割愛し、次稿以降にて解説します。)。

この制度を利用するメリットとして諸点がありますが、主なものとして以下のようなものがあります。

①住宅ローンが返済途中の自宅不動産があるが、引き続き居住することができる。

②破産者であることが欠格事由となる資格(例えば警備員や保険外交員など)の仕事に就いている場合に、これを継続することができる。

③収入の道として個人事業しかないという場合に、これを継続することができる。

④負債の発生原因がギャンブルや投資など免責不許可事由に該当するか、その可能性が高い場合であっても、債務の減額を受けることができる。

⑤直近の破産手続の免責許可決定を受けてから7年以内であるが、再び支払困難となってしまっても、債務の減額を受けることができる。

前述した負債総額5000万円以下である、という要件以外にも「個人再生」という債務整理手続を利用するにあたっては様々な検討課題がありますので、利用にあたっては慎重に検討する必要がありますが、これらの検討課題のご紹介及びその解説は次稿にさせていただこうと思います。